30代で年収を上げたいなら「転職の設計図」を持て|3回の転職で年収3倍にした僕が使った手順

30代の年収アップに一番効くのは「設計図」です。市場価値の棚卸し→掛け算スキルの特定→交渉の順で動けば、1回の転職で100〜300万円は動きます。

「もっと稼ぎたい」、「自分の価値はこんなものじゃない」と思ってこの記事にたどり着いたあなたに、最初に伝えたいことがあります。30代の転職は遅くない、ということです。僕自身、1回目の転職は30歳、直近の転職は35歳。年収は新卒時の3倍以上になり、今は本業1,000万円+複業1,200万円で合計2,200万円です。

ただ、最初から戦略的に動けていたわけではありません。1回目のSIerからコンサルへの転職は「なんとなく環境を変えたい」という曖昧な動機でした。当時は30歳で、SIer4年目。毎日の仕事は客先常駐で、自社に帰る日はほぼゼロ。「このまま40歳まで、誰かの会社に常駐して働き続けるのか」と漠然とした不安を抱えていました。それで転職サイトに登録して、なんとなく目についたコンサルファームを受けて、受かったから入った。年収の上がり幅は150万円くらい。悪くはないけれど、想像していた「大逆転」にはほど遠い結果でした。

振り返ると、1回目の転職で足りなかったのは「自分を知る作業」です。自分のスキルが市場でどう評価されるのか、何を武器にすべきなのかを考えずに、ただ環境を変えることだけが目的になっていました。

2回目のベンチャーへの転職からです。「自分の市場価値を棚卸しして、掛け算できるスキルを武器に、戦略的に動く」ことを意識するようになってから、数字が大きく動き始めました。今日はその設計図を、全部まとめて共有します。

目次

まず「転職する前」にやる、市場価値の棚卸し

転職活動のスタートは求人検索ではなく、職務経歴書を書くことです。これを先にやると、自分の価値が数字で見えます。

多くの人が、社内評価=自分の価値だと思い込んでいます。僕もSIer時代は「まあ中堅のなかで普通」くらいの扱いで、自分でもそう信じていました。

ところが、転職エージェントと初めて面談したとき、思わぬ一言をもらいました。「プロジェクトマネジメントの経験と、ITの技術理解。この掛け合わせはコンサル業界でかなり希少ですよ」と。社内ではありふれた人間が、業界を変えれば希少人材になる。このギャップに気づけたのが、僕のキャリア設計の出発点でした。

市場価値を把握するためにやってほしいのは3つ。

1つ目、職務経歴書を書くこと。書き始めると、自分の実績や担当したプロジェクトの数字を並べざるを得なくなります。この棚卸しの過程で、「自分の強み」と「穴」が両方見える。正直、職務経歴書を書くだけでも転職する前に1度はやる価値があります。特に、重要なのは定量的に記載すること。どれくらいの規模のプロジェクトを何人で回しのか、をちゃんと数字で書くことを意識してください。

2つ目、転職エージェントと1回は面談すること。エージェントは毎月何十人もの候補者と企業を見ています。自分では気づかない「市場で評価されるポイント」を教えてくれることが多いです。僕の場合、SIer時代の大規模案件の進行管理経験がコンサル業界で高評価につながることは、エージェントに指摘されて初めて自覚しました。

3つ目、年収相場を調べること。同業種・同職種・同年代のレンジを把握しておく。これをやらずに転職活動をすると、提示された金額をそのまま受け入れて損をします。

30代の年収を上げる3つのルート

市場価値を把握したら、どこで勝つかを決めます。僕の経験では、年収アップのルートは大きく3つです。

ルート①:業界を変える(年収水準の高い業界に移る)

同じスキルでも、業界によって評価額はまるで違います。事業会社のPMとコンサルファームのPMでは、同じ実績でも年収に200〜300万円の差が付くことは珍しくありません。

僕がSIerからコンサルに移ったとき、正直に言うと仕事内容で驚くほど変わった点はありませんでした。SIer時代もクライアント先で要件を整理して、チームの進捗を管理して、課題があれば解決策を提案する。コンサルでも本質的にやっていることは同じでした。なのに年収は150万円上がった。

この経験が僕に教えてくれたのは、「スキルの価値は業界の利益構造で決まる」ということです。SIerは人月でビジネスをする世界ですが、コンサルはプロジェクト単位で高い付加価値を請求できる構造になっている。同じ人間が同じことをしても、お金の流れ方が違う業界に移るだけで年収が変わる。これは知っているかどうかだけの話です。

ルート②:ポジションを上げる(マネジメント経験を武器にする)

「マネジメント経験と言っても、自分は部長じゃないし」と思うかもしれません。でも30代で求められているのは、そこまで大げさな話ではないです。後輩を育てた経験、5人程度のチームで進行管理を任された経験、他部門との調整を捌いた経験。これらは立派な「マネジメント実績」として面接で語れます。

僕自身、SIer時代の肩書きは「メンバー」でした。でも実態は5人チームの進行管理を任されていて、その経験を面接で「実質PM相当の役割を担っていた」と伝えたことが、コンサル転職の決め手の一つになった記憶があります。肩書きではなく、やっていた中身で勝負できます。

ルート③:スキルの掛け算で希少性を出す

1つのスキルで突き抜けるのは大変ですが、2つ以上の掛け算をすると一気に希少性が上がります。

僕の場合は「IT×プロジェクトマネジメント」でした。エンジニアは山ほどいる、PMも山ほどいる、でも「サービス開発のしたことがあり、エンジニアリングがある程度わかってかつ、ビジネス感覚を持ったPM」となると候補者がぐっと絞られる。結果として今のポジションにつながっています。

あなたにも掛け算できる種が、きっと1つか2つはあるはずです。本業のスキル+趣味/業界知識/語学/副業経験。意外な組み合わせが武器になることが多いです。

年収交渉で100万円動かす方法

交渉は内定が出てからでは遅い。面接段階から、希望レンジを根拠つきで伝えるのが鉄則です。

多くの人が、提示された年収はそのまま受け入れるものだと思っています。3回の転職を経験した僕の感覚では、交渉の余地はかなりあります。ただし、やり方を間違えると印象を損ねて不採用になるリスクもあるので、ポイントを整理しておきます。

まず、面接段階で「現年収」と「希望年収」を聞かれる場面が必ずあります。僕が2回目以降の転職で意識したのは、単なる数字ではなく「根拠セット」で伝えること。

具体的には「現年収は◯◯万円です。希望は+100〜150万円。理由は、御社のこの事業フェーズで求められるスキル(◯◯と◯◯)を、現職で◯年積んできたためです」という形。この伝え方をすると、相手も年収を上げる意思決定がしやすくなります。逆に、根拠のない「800万円ください」だけだと、弱みを見抜かれて値切られます。

もう1つ、転職エージェントを交渉の味方に使うのが地味に効きます。エージェントの成功報酬は年収のパーセンテージで決まるので、利害が一致しているんです。自分で言いづらい金額もエージェント経由なら言えます。実は多くの人が間違えている事実として、エージェントを使わずに、企業のフォームなどから直接応募すればエージェントのフィー分年収が上がると思っている方も多いのですが、実は違います。企業と直接交渉する場合、よほど実績があって交渉力がない限り、年収交渉は負けます。エージェントに入ってもらう方がしっかり、年収交渉してもらえるので、年収が上がる余地があるのです。

僕の3回目の転職のとき、企業からの最初の提示額を見て「もう少しいけるはず」と感じました。でも直接「もっとください」と言うのは気が引ける。そこでエージェントに「現職の年収と比較して、この金額だと意思決定が難しい」と正直に伝えたら、エージェント側から企業に交渉してくれて、結果的に50万円上乗せされました。自分の口から言わなくても交渉が成立する。この仕組みを知っているかどうかで、転職後の年収はけっこう変わります。

「転職しない」選択肢も同時に検討する

正直に書きます。3回の転職のうち、ベンチャーへの転職は金銭面だけ見れば失敗でした。年収は下がり、労働時間は増え、家族との時間も減った。妻に「なんで転職したの」と聞かれたとき、うまく答えられなかったのを覚えています。コンサルにいれば年収はもっと早く上がっていたかもしれない。

でも、ベンチャーでの日々は間違いなく濃密でした。何もないところから企画書を書き、開発チームを巻き込み、予算をかき集めてプロダクトを世に出す。コンサル時代は「他社の課題を解決する」仕事でしたが、ベンチャーでは「自分たちのプロダクトを作る」仕事に変わった。その経験が、次の大手エンタメ企業への転職面接で強烈に効きました。「0→1の経験があるPM」はエンタメ業界ではかなり希少だったらしく、結果的に年収の大幅アップにつながっています。

キャリア全体で見れば意味のある遠回りだった。でもそれは結果論であって、渦中にいるときは本当に不安でした。

この経験から学んだのは、転職を「次の1社で年収を最大化する手段」だけで捉えると判断を誤るということ。10年単位でのキャリア全体の中で、今回の転職がどんな意味を持つか。この視点を持てるかどうかで、30代のキャリアは大きく変わります。

場合によっては、今の会社に残って実績を積んだほうがいいケースもあります。社内異動で新しいスキルを取る、昇進を狙う、副業を始める。転職以外の年収アップルートもちゃんと天秤に乗せてください。

複業で「会社に依存しない収入」を作る

最後に、僕のキャリアで地味にいちばん効いた「複業」について。

本業1,000万円+複業1,200万円=2,200万円。この数字だけ見ると特殊に聞こえますが、僕の複業は1案件単価2,500円のコンサルティングからスタートしています。知人経由で「PMの相談に乗ってほしい」と言われ、最初は本当に小さな案件でした。

最初の半年は赤字に近い状態でした。移動時間を考えると時給で換算したらアルバイト以下。「これ、意味あるのか?」と何度も思いました。でも案件をこなすたびに「次はこの人を紹介するよ」と声がかかるようになり、単価も徐々に上がっていきました。今は1案件6,000円まで引き上げていて、案件数も安定している。気づけば年間1,200万円という数字に。最初から大きく狙ったというより、小さく始めて続けたらここまで来たという感覚です。

複業を始めて一番変わったのは、お金よりも精神面です。「最悪、会社を辞めても食べていける」という余裕があるから、本業でも臆せずチャレンジできるし、転職の判断も冷静にできる。この余裕は、数字以上のリターンでした。

30代で複業を始めるなら、本業の知見を活かせる分野がおすすめです。エンジニアなら技術顧問、営業なら営業代行、PMなら進行支援。本業のスキルがそのまま武器になる領域から入ると、立ち上げがかなり速いです。

30代転職でやりがちな失敗3つ

僕自身が1回目の転職でやった失敗と、周囲で見てきたケースをまとめておきます。

1つ目、転職サイトの求人を先に見る。僕の1回目の転職がまさにこれでした。年収の高い求人を眺めて「ここ良さそう」と飛びついたのですが、自分の強みが何なのかを整理しないまま面接に臨んだので、志望動機も浅いし自己PRにも具体性がない。結果的に受かったのは「まあ悪くないかな」程度の会社だった。棚卸しを先にやっていれば、選択肢も交渉力もまったく違ったはずです。

2つ目、1社だけ受けて即決する。比較対象がないと自分の市場価値が正しく測れませんし、「ここしかない」と思い込むと交渉もできなくなる。最低3社は並行で進めることをおすすめします。複数の内定を持てると、交渉のカードにもなります。

3つ目、今の不満を動機にする。「上司が嫌だ」「残業が多い」——こういう「逃げの動機」で転職すると、次の会社でも似た不満を抱えることが多い。僕がSIerを辞めたときも、正直に言えば不満が先に立っていました。だから1回目の転職では「何を得たいか」よりも「何から逃げたいか」で会社を選んでしまった。2回目以降は「次の会社で何を身につけるか」を先に言語化してから動くようにしたことで、転職の満足度が明らかに変わりました。

よくある質問

Q1. 30代後半からでも年収は上がりますか?

上がります。僕は35歳での4回目の転職で、単年で150万円以上年収が上がりました。年齢より「掛け算スキルと市場ニーズがマッチしているか」のほうが大きな変数です。

Q2. 未経験の業界に転職できますか?

職種をそのままで業界だけ変える「業界チェンジ」は30代でも十分可能です。職種も業界も変える「ダブルチェンジ」は難易度が上がるので、最初はどちらか片方だけ変えるのを推奨します。

Q3. 転職エージェントは何社使うべき?

2〜3社で十分です。大手(幅広い求人を網羅)+業界特化型(非公開の上位求人を持つ)の組み合わせが効率的です。エージェントとの相性も見えるので、最初は複数当たって絞り込むのがおすすめです。

Q4. 職務経歴書を書くのが苦手です

まずは「自分がやってきた案件・プロジェクトを時系列で箇条書き」するところから。そこに「規模(金額・人数)」「自分の役割」「成果(数字)」を付けていく。最初から完璧を目指す必要はなく、叩き台ができればエージェントが添削してくれます。最近はAIで叩き台を作る、というやり方もあるので、以前より難易度はぐっと下がっています。

Q5. 転職したほうがいいか、今の会社に残るべきか迷います

迷うなら、まず市場価値の棚卸しだけやってみてください。数字が見えると、残る判断も動く判断も、根拠を持って選べるようになります。


30代で年収を上げるのに必要なのは、運でも才能でもなく設計図です。市場価値を知り、掛け算のスキルを特定し、交渉で自分の価値を伝える。そして転職だけに頼らず複業でも柱を作る。

20代の僕のように「なんとなく」で動いている段階なら、今日できる最初の一歩は職務経歴書を開くことです。まっさらな画面に、自分の経験を書き出してみてください。そこから動き始めます。

筆者のバックグラウンドは運営者プロフィールをどうぞ。

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この記事を書いた人

36歳 / 大手エンタメ企業PM / 年収2,200万円(本業+複業)。中学で失恋→ストーカー化→うつ病→大学院中退のどん底から、ランニング・資格・転職を武器に人生を立て直した経験をもとに、キャリア・恋愛・見た目・ライフスタイルの「男磨き」情報を発信しています。毎日5kmランニング継続中。2児のパパ。

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